ETFとは?株と投資信託のメリットを兼ね備えた金融商品を解説

ETFとは? 株用語

ETF(上場投資信託)は、投資信託の分散性と、株式の売買自由度を兼ね備えた金融商品 です。
コストが低く、長期投資に適していることから、初心者からプロの投資家まで幅広く利用されています。

本記事では、ETFの基本的な仕組み、投資信託や個別株との違い、メリット・デメリット、具体的な投資方法について解説します。


ETFとは?

ETF(Exchange Traded Fund)は、証券取引所に上場している投資信託 です。
通常の投資信託と異なり、株式と同じように市場で売買できる という特徴があります。

ETFを購入することで、複数の企業に分散投資しながら、リアルタイムで売買が可能 になります。
例えば、「S&P 500に連動するETF」を購入すれば、アメリカの代表的な500社に一括で投資できます。


ETFと投資信託・個別株の違い

ETFは、投資信託と株式の両方の特徴を持つため、それぞれの違いを理解することが重要です。

ETF 投資信託 個別株
投資対象 複数の企業に分散投資 複数の企業に分散投資 1社のみ
売買のタイミング 市場の取引時間内ならいつでも売買可能 1日1回(基準価額での取引) 市場の取引時間内ならいつでも売買可能
運用コスト 投資信託より低コスト 一般的にETFより高コスト なし
取引方法 証券会社の株式口座で売買 証券会社や銀行で購入 証券会社の株式口座で売買
初心者向けか 〇(分散投資ができ、売買の自由度が高い) 〇(積立投資に向いている) △(企業分析が必要)

ETFは、「分散投資のメリット」と「リアルタイム取引の柔軟性」を兼ね備えている点が特徴 です。


ETFのメリット

ETFのメリット

1. 1つのETFで分散投資が可能

ETFを購入すると、1つの銘柄で複数の企業に分散投資ができる ため、個別株投資よりリスクを抑えやすくなります。
例えば、S&P 500に連動するETFを購入すると、アメリカの主要500社に投資できるため、特定の企業の株価変動リスクを分散することができます。

2. 株と同じように売買が可能

ETFは、株式と同じように市場が開いている時間なら、リアルタイムで売買 できます。
通常の投資信託は1日1回の基準価額で売買されるため、注文してから価格が確定するまで時間がかかりますが、ETFはすぐに売買が成立する のが利点です。

3. 低コストで運用できる

ETFの信託報酬(運用コスト)は、一般的な投資信託と比べて低く設定されています。
例えば、S&P 500に連動する「VOO(バンガードS&P500 ETF)」の年間手数料は0.03%と非常に低コストです。
長期投資をする上で、手数料の差は最終的なリターンに大きく影響するため、低コストのETFは有利 です。

4. 配当金を受け取れるETFもある

ETFの中には、配当を出す銘柄が組み込まれているものもあり、定期的に配当金を受け取ることができます。
例えば、「VYM(バンガード米国高配当ETF)」は、高配当銘柄を中心に構成されており、年間3%前後の配当利回りが期待できます。


ETFのデメリットと注意点

1. 売買手数料がかかる

ETFは、購入時や売却時に証券会社の売買手数料 が発生する場合があります。
ただし、SBI証券や楽天証券では、一部のETFについて売買手数料無料のプラン もあるため、取引コストを抑えることが可能です。

2. 価格変動リスクがある

ETFは株式市場に上場しているため、市場の影響を受けて価格が変動 します。
特に、株価指数に連動するETFは、相場の下落局面ではETF価格も下がる ため、リスク管理が必要です。

3. 積立投資には向かない場合もある

ETFはリアルタイムで売買できる一方、自動積立の仕組みが整っていない証券会社もあります。
定期的に積立投資をしたい場合は、投資信託(eMAXIS Slim S&P 500など)の方が適している こともあります。


初心者におすすめのETF

1. S&P 500に連動するETF(米国株の王道)

米国株全体に分散投資できる、最も人気のあるETFです。

  • VOO(バンガードS&P 500 ETF):手数料 0.03%
  • SPY(SPDR S&P 500 ETF):手数料 0.09%

2. NASDAQ 100に連動するETF(ハイテク株に投資)

ハイテク株中心のNASDAQ100に投資したいなら、このETFが選択肢になります。

  • QQQ(インベスコQQQ ETF):手数料 0.20%

3. 高配当ETF(配当を受け取りながら長期投資)

安定した配当を受け取りながら、資産形成をしたい人向けです。

  • VYM(バンガード米国高配当ETF):手数料 0.06%
  • HDV(iシェアーズ米国高配当ETF):手数料 0.08%

まとめ

ETFは、投資信託の分散投資のメリットと、株式のリアルタイム取引の柔軟性を兼ね備えた投資商品 です。
低コストで運用でき、長期投資に適しているため、初心者にも向いています。

特に、S&P 500連動ETF(VOO・SPY)やNASDAQ100連動ETF(QQQ)は、多くの投資家に支持されている代表的な銘柄 です。
自分の投資目的に合ったETFを選び、長期的な資産形成に活用しましょう。

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